土地相続でトラブルの原因になりやすいもの

土地の相続は単純ではなく、相続の現場でもかなり大きなトラブルのもとになってしまいます。
弁護士など実務に携わる人は相続を「争続」と言ったりもしますが、まさに親族同士で罵り合いを始めるようなことも珍しくありません。

特に地方都市に多いのが土地トラブルでしょう。
実家が存在していた土地だけでなく、畑や田んぼのような農耕地や、特に使用されていない更地など、亡くなってから意外なところから権利土地が発見されるということがあります。

土地は市街地や人気の住宅地であれば権利者も相続をしたがるでしょうが、田舎の山中の土地などは受け取ってもどうしてよいか分からない、ということにもなってしまいます。
土地は所有しているだけで固定資産税がかかってきますので、誰がどのような形で相続するかということで争いが起こってしまうのです。

また、相続時にできるだけ公平に処理をしようとすることにより、その後にまた相続が発生したときに大きなトラブルになることも少なくありません。

例えば実家の土地に関して、3人の兄弟で平等にするため、相続時に権利を1/3として共有名義にしたとします。

これは一見平等な相続方法のようですが、その後数十年してその3人の権利者が亡くなったとき、その子供に相続をされると1/6、1/10といったように、どんどん名義が増えていくことになってしまいます。
名義人が増えるということは、売却など処分をするときに全員の同意が必要になりますので、場合によってはどうにも処分ができなくなるようなことも起こり得るのです。

土地相続のトラブル対処方法

理想的な相続をするためには、できるだけ権利関係のものはシンプルにしておくことが大切です。
上記の土地名義などがもっとも分かりやすいですが、とりあえず現在争いが起こらないようにナアナアな解決方法をとってしまうと、それが後の大きな負担になってしまうでしょう。

土地は一旦分割をしてしまうと、それまでと異なる用途で使用されることになりますので、住宅地などは分割せずにそのままの形で残すことを考えましょう。
当面の利益ではなく長期的に処分ができるように、生前から贈与方法を話し合うなど、解決策を模索することが必要です。