トラブルの原因になりやすいもの
仕事中に起こるトラブルのほとんどは「伝達ミス」によって発生します。
どんな業種であっても、一人だけで完結する仕事というものはほとんどありません。
業務を遂行していく時には他のスタッフに連絡をとり、工程を上から下に流すことになるでしょう。
このとき、その前の業務の内容がきちんと後の工程の人に伝わっていないと、勘違いや思い込みから異なる作業をしてしまうことがあります。
いわゆる「言った、言わない」の問題で、伝えた方にしてみればきちんと言ったのだからそれをしていないほうが悪く、反対に言われた方は聞いていないのだから作業のしようがない、ということになるのです。
忙しい現場ではつい口頭だけで伝えたつもりになってしまっていたり、そもそも忙しくて伝達作業そのものがされていなかったりということが起こります。
仕事のトラブルというと、作業そのもののミスや失敗の方を思い浮かべるかもしれません。
しかし、実はそうしたものよりも、人と人との伝達部分に大きな欠陥があるという場合がほとんどなのです。
特に業務で何らかの問題が起こっている場合には、連絡をすることで自分に責任が及んでしまうことを恐れるあまり情報を隠すということもあります。
都合の悪い意見こそ本来ならば大勢で共有すべきなのですが、なかなかそうはいかない現場が多いのです。
仕事で起こるトラブルの対処方法
新入社員のための研修で必ず出てくるのが「報・連・相」ですが、これはまさに社内のトラブル回避に重要な役割を持つものです。
先にも述べましたが「報・連・相」がないと業務に携わる人同士の情報が共有されないので、どうしても作業に行き違いが出てきてしまいます。
管理職などの上司が、この都合の悪い情報に対して厳しい態度を取るタイプの場合などは、報・連・相が最もうまくいかない環境です。
部下も怒られたくないから言わないという悪循環が生まれてしまうでしょう。
業務上の伝達にミスをなくすためには、できるだけ後からその連絡を確認できるような形で残すことが大切になってきます。
便利なツールとしては社内用のメールやチャットなどがあり、連絡をするときに必ず文章にしておくことで後から「言った、言わない」という水掛け論になることを避けることが可能です。
社内用のツールを使うことでそれぞれの進捗状況を確認できるというメリットもあり、もし一部で遅れが発生している時には、他からヘルプを出すことができないかを考えることもできるでしょう。
新入社員など仕事に慣れない人がいると、どうしてもスケジュール管理がうまくいかないこともあるので、情報を全体で共有することにより、誰が何をしているか把握して助け合っていけます。