交際にまつわるトラブル例

交際中の人間関係でも起こるのが金銭トラブルです。
結婚をしている夫婦関係と異なり、交際中の間には法的な拘束力がないので、つい軽く考えてお金のやり取りをしてしまうこともあります。

近年になって、婚活に関する金銭トラブルが増えてきました。
婚活サイトに登録をしてある程度相手と親しくなったところで「家業がうまくいっていない」「学校を辞めなくてはいけない」「親が難病で結婚できない」といった話を持ちかけ、お金を受け取ろうとする詐欺が報告されています。

付き合いをしていくとき、特に結婚を意識している相手ではなんとかして自分に引き止めたいと思うものなので、つい無理をしてでもお金を払いたくなるかもしれません。
そうして貸したお金については、借用書など証拠となるものが残されていないことが多く、気づいた時には全く連絡がとれなくなってしまっていた、という事もあります。

最初からだまし取るつもりでなかったとしても、細かくお金を交際中に貸し借りしていることで、別れるときに大きなトラブルになってしまうことがあるのです。

付き合っている時には気前よくおごってくれていた人が、別れを切り出した途端に「今までお前に支払ってきた金を全部返せ」と法外な金額をふっかけられた、というような例も実際にはよくあります。

最近注目されるようになってきた「デートDV」においても、一方的に金銭を要求され支払いを拒むと暴力を振るわれるといったこともあるものです。
交際中の相手に対して借用書をとるといったことは難しいですが、万が一のことを考えると大きな金額を渡す時にはきちんと証拠となることを残しておくことが必要になってきます。

金銭でトラブルになったときの対処方法

まず交際中の金銭トラブルについてですが、通常の付き合いの範囲であれば返済をする義務はないのです。

先にも例に出した「交際中にかけた金額を返せ」というのは、要求することは自由ですが、その支払を法的に拘束することはできません。
デート中の食事やプレゼントは法的には「贈与」として扱われるので、それを後から返済しろと言うことはできないからです。

ただし相手が婚約を匂わせるなど、断れない事情を作って相手から金銭を受け取っていた場合などグレーな場合があるので、金額が大きい場合は法律相談を利用してみるのもよいかと思います。

もし大きなお金を貸したにも関わらず相手から返済の意思が見られない場合は、債権回収の手続きをすることができます。
その場合、相手の氏名と住所がわからないとできませんので、大きな金額を渡す前に相手の本名や住所をはっきりさせるようにしてください。

住所がしっかりわかっていれば、代理人から支払督促を民事調停などを起こすことが可能となります。