賃貸住宅の家賃トラブルのポイント、解決策

不動産に関するトラブルの中でも特に多いのは家賃に関する内容です。

家賃トラブルとしては「家賃が振り込まれていない」「家賃滞納のため立ち退きを要求したのにいつまでも出て行かない」といった家主側の問題と、「家賃を急に値上げされた」「管理会社が急に変更になった」などといった借り主側の問題とがあります。

今回取り上げるのは家賃の値上げについてで、近年では少なくなりましたが、都心部などではまだまだよく聞かれる内容となっています。

実際にあった事例としては「突然一方的に来月から家賃が上がると言われた」「契約更新の時期に家賃改定があったと言われた」「家賃値上げに応じられないなら退去しろと言われた」といったことがあります。
話し合いが途中ということでいつもどおりの家賃を振り込もうとしたら「値上げ後の金額でしか受け取らないと言われた」というようなこともあるようです。

もし一方的に家賃値上げを通告された場合、その内容に納得できない場合は、それに従う必要はありません。
ただし一方的な賃上げ自体に効果がないかというとそういうわけではなく、素直に支払うのであればそれで契約は継続となります。

不動産関係のトラブルについては、日本弁護士連合会の公式サイトでよくある事例がまとめられているので、そちらに目を通してみることをおすすめします。

参考ページ:よくある相談内容 不動産関係

正当な値上げの手順

家主さんにしてみれば少しでも家賃を高くしたいという気持ちがあるのは当然ですが、だからといって一方的に通告をするというのはあまりにも誠意に欠ける行ないです。
仮に家賃を値上げするにしても、事前に通告をするとともになぜ賃上げをするかという根拠を示すべきでしょう。

通告をする時期については法律的に定めはないので、契約更新の時期に合わせて連絡をするというのが一般的なようです。

もし根拠を示されてもまだ賃上げに納得ができないという場合は、現行の賃料の支払いを続けます。
前述のように家主さん側に受け取ろうとしないという場合には「供託」として第三者に賃料を預けるという方法をとることが可能です。

値上げに納得しないからといって賃料の支払いそのものを止めてしまうと、「債務不履行」として逆に家主さんから訴えを起こされてしまう可能性があります。