損害賠償を請求できるかどうかのポイント

インターネットで気軽に交通機関や宿泊施設の予約ができるようになっている現在ですが、意外に多く発生しているのがダブルブッキングなどの問題です。

利用者側にしてみれば、きちんと専用のフォームなどを利用して予約を完了しているわけですので、その日程で自分たちが利用できると思うのは当然のことでしょう。
ところがそうして申込みをしておいたにもかかわらず、現地に着いてみたら突然に「部屋がありません」といった対応をされることもあります。

直前だけでなく、例えば最初に予約の連絡をしておいたのに出発前になっても確認のメールが届かず、問い合わせてみたら予約そのものが通ってなかった、というようなこともあるのです。
利用者にしてみればかなり早い時期に申し込みをしておいたのに、直前になって「実は予約されていませんでした」ということでは怒りもかなりのものになるでしょう。

仮にその施設が既に予約いっぱいであっても、先に連絡をしてもらえれば他の施設に連絡をすることもできたのにと思うと、その損害部分について最初の施設に損害賠償を求めたくなるかもしれません。

しかし実際の事例においては、確認をしなかったのは利用者側として、ホテル側には損害賠償をする必要はないという判決が出ています。

確認作業を怠ったとして責任は利用者側に

実際の判決においては、ネットで予約をしておいたにも関わらずその完了メールや予約確認メールが来なかったことに対して、何らかの確認をしなかった利用者の方に責任があるというふうに判断されています。
つまりネットで予約をした場合、通常であれば予約確認メールなどが入るところ、その確認をせずにそのまま当初の申し込みの通りに利用しようとした利用者の方が確認を怠っているということです。

ネットで宿泊施設を予約している人にとっては腹ただしいことかもしれませんが、予約した内容について先方から連絡がないという場合は、それを放置していた利用者に責任があるという判断になります。

ホテル側にとっては、何らかのトラブルによりメールでの受付が難しいときに受けた予約までは保障することはできない、ということになるでしょう。
ネットで予約をする場合には、送ったメールに対して確認があるかどうか、きちんとチェックしておくことが大切です。